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ヒアルロン酸の原料って?特徴や抽出・製造方法などを解説

ヒアルロン酸の原料って?特徴や抽出・製造方法などを解説

肌に潤いを与える成分として知られているヒアルロン酸は、美容や医療の分野で広く利用されています。しかし、「ヒアルロン酸はどのような原料から作られているのか?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

ヒアルロン酸の原料は、主に動物由来と微生物発酵由来の2種類があり、それぞれ特徴や抽出・製造方法が異なります。

今回の記事では、ヒアルロン酸の主な原料や抽出・製造方法、それぞれの特徴について詳しく解説します。ヒアルロン酸の原料について知りたい方はぜひチェックしてください。

 

ヒアルロン酸とは?

ムコ多糖類に分類される物質で、もともと人体に存在する成分のひとつです。特に細胞と細胞の間に多く含まれており、ゼリー状の物質として組織の構造を維持する役割を担っています。

その最大の特性は、高い保水力です。ヒアルロン酸は、自重の約1,000倍もの水分を保持できるとされ、皮膚や関節、眼球などの組織に潤いを与える役割を果たしています。

また、ヒアルロン酸は粘弾性にも優れており、関節液の成分としてクッションのような働きを持ち、関節の滑らかな動きを助ける役割も担っています。その特性から、医療分野における関節治療や整形外科手術などでも活用されています。生体適合性が高く、体内に自然に存在する成分であるため、異物として認識されにくいという特徴もあります。

ヒアルロン酸は生体内で自然に合成されますが、加齢とともに減少する傾向があり、外部から補うことが求められます。動物由来や微生物発酵由来の方法によって製造されることが一般的で、精製技術の進歩により、様々な用途に適した形で製造されています。

 

コラーゲンとの違い

コラーゲンは、体内のタンパク質の約30%を占める主要な構成成分で、皮膚や骨、軟骨、血管、腱などの結合組織に多く含まれています。繊維状の構造で、細胞同士をつなぎとめる役割を果たすことで、組織の強度や弾力を維持します。特に皮膚においては、ハリや弾力を保つために欠かせない成分です。コラーゲンも加齢とともに減少し、肌のたるみやシワの原因となることが知られています。

ヒアルロン酸とコラーゲンは、どちらも体内に存在し、健康や美容に関わる重要な成分ですが、その働きは異なります。コラーゲンは主に「組織を支える」役割を担い、肌や骨の構造を維持します。一方、ヒアルロン酸は、細胞と細胞の間に存在し、水分を保持することで組織の潤いを維持し、クッションのような役割を果たします。特に皮膚や関節、眼球などに多く含まれ、潤滑剤としての機能も持っています。

 

プラセンタとの違い

プラセンタは、胎盤から抽出される成分であり、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、酵素、成長因子など、多くの栄養素を含んでいます。細胞の活性化や新陳代謝の促進に役立ち、肌のターンオーバーを整えたり、抗酸化作用によりエイジングケアに貢献するとされています。また、医療の分野では、更年期障害の緩和や肝機能の改善などにも用いられています。

プラセンタとヒアルロン酸の働きは大きく異なります。プラセンタは、成長因子や栄養素の供給によって細胞の再生を促し、肌の弾力やハリを根本から改善する効果が期待されます。

ここまでの話をまとめると、簡単に言えば、コラーゲンは「構造を作る成分」、ヒアルロン酸は「水分を保持する成分」、プラセンタは「細胞を活性化させる成分」です。コラーゲンは肌や骨の土台を形成し、ヒアルロン酸はその隙間を潤し、プラセンタは新陳代謝を促して肌の再生をサポートします。

 

ヒアルロン酸の原料は?

ヒアルロン酸の原料は?

ヒアルロン酸の主な原料を動物由来、微生物発酵由来に分けて解説します。それぞれの特徴や抽出・製造方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

動物由来

動物由来の原料は、古くから医薬品や美容製品に使用されてきました。特に鶏冠(とさか) や 、サメの皮などの動物組織にはヒアルロン酸が豊富に含まれており、それらを原料として抽出・精製することで製品化されています。

動物組織からヒアルロン酸が抽出されるようになったのは20世紀半ばのことです。最初に医薬品として利用されたのは関節の滑液補充や眼科手術用のジェルでした。その後、美容やスキンケア用途に広がり、保湿成分として化粧品にも配合されるようになりました。

動物由来のヒアルロン酸は、生体適合性が高く、関節治療や皮膚の保湿成分として優れています。しかし、動物特有のアレルギー反応のリスクや、ウイルス・細菌の管理が必要なため、厳しい品質管理が求められます。

近年では微生物発酵由来のヒアルロン酸が主流になりつつありますが、それでも、動物由来のヒアルロン酸は伝統的な製造方法として一定の市場があり、様々な分野での利用が続いています。

 

抽出・製造方法

①原料の選別と前処理

ヒアルロン酸を多く含む動物の組織(鶏のトサカなど)を洗浄し、不純物を取り除きます。安全性を確保するために、原料となる動物は厳格な検査をクリアしたもののみが使用されます。

 

②酵素処理による分解

原料を細かく砕いた後、特定の酵素を加えてヒアルロン酸を含む成分を分解・抽出します。この工程で、タンパク質などの不要な成分を取り除きます。

 

③ろ過・精製

抽出されたヒアルロン酸をろ過し、純度を高めるために遠心分離や膜ろ過技術が用いられます。

 

④乾燥・粉末化(または液体化)

最終的に、精製されたヒアルロン酸は乾燥され、粉末または液体の形で製品化されます。

 

微生物発酵由来

微生物発酵由来のヒアルロン酸は、動物由来のものとは異なり、細菌(主に乳酸菌や連鎖球菌)を利用した発酵技術によって生産されます。動物由来に比べて安全性が高く、品質が安定しているのが大きな特徴です。

発酵由来のヒアルロン酸は、微生物を培養しながらヒアルロン酸を分泌させ、それをろ過・精製することで得られます。この方法では動物組織を一切使用しないため、アレルギーリスクやウイルス感染リスクがほぼゼロであり、医薬品や化粧品、サプリメントなど、様々な用途に適しています。

また、発酵プロセスを最適化することで、分子量や粘性を調整しやすく、用途に応じたヒアルロン酸の開発が可能です。例えば、低分子ヒアルロン酸は肌への浸透性が高く、高分子ヒアルロン酸は保水力に優れています。そのため、スキンケア製品や関節治療、創傷治療など、多くの分野で活用されています。

さらに、微生物発酵由来のヒアルロン酸は、大量生産が可能で、環境への負荷が少ないというメリットもあります。そのため、現在では医薬品や化粧品業界で主流の製造方法となっており、多くの企業がこの技術を採用しています。

 

抽出・製造方法

①微生物の培養

ヒアルロン酸を生成する能力のある特定の微生物を、大規模な発酵槽(バイオリアクター)で培養します。培養には、グルコースやアミノ酸などの栄養源が含まれた培地を使用し、最適な温度やpHを維持しながら増殖させます。

 

②発酵プロセス

微生物が増殖する過程で、ヒアルロン酸を細胞外に分泌します。この発酵工程の条件(時間、酸素量、栄養成分など)を最適化することで、高純度・高分子量のヒアルロン酸を得ることができます。

 

③分離・精製

発酵液からヒアルロン酸を抽出するため、ろ過や遠心分離を行い、不純物や微生物の残骸を除去します。その後、化学的な処理を加えてさらに精製し、最終的に純度の高いヒアルロン酸を得ます。

 

④乾燥・製品化

精製されたヒアルロン酸は、用途に適した形に加工されます。

 

ヒアルロン酸が活用されている分野

ヒアルロン酸が活用されている分野

ヒアルロン酸が活用されている主な分野として「美容・スキンケア分野」「健康・サプリメント分野」「医療分野」などが挙げられます。

 

美容・スキンケア分野

その高い保水力から、美容・スキンケア分野で広く活用されています。特に化粧水や美容液、クリームなどのスキンケア製品には、肌の水分を保持し、乾燥を防ぐ目的で配合されるのが一般的です。ヒアルロン酸は肌の角質層に浸透し、水分をしっかりと抱え込むことで、しっとりとしたハリのある肌を維持する役割を果たします。低分子ヒアルロン酸は肌の奥深くまで浸透しやすく、高分子ヒアルロン酸は肌表面でうるおいのバリアを作るため、製品ごとに異なる種類が使用されることが多いです。

また、加齢とともに減少するヒアルロン酸を補うため、ヒアルロン酸配合のフェイスマスクやアイクリームなどのエイジングケア製品も人気があります。特に、乾燥による小じわを目立たなくする目的で開発されている製品では、持続的にうるおいを保つよう設計されています。美容皮膚科では、ヒアルロン酸注射を用いたシワやたるみの改善などの施術も行われており、短時間で効果を実感できる施術として支持されています。特に、額やほうれい線のシワの改善、涙袋や唇のボリュームアップといった目的で施術されることが多いです。

このように、ヒアルロン酸は日常的なスキンケアから専門的な美容医療まで幅広い用途で活用され、美容をサポートする成分として欠かせない存在といえます。

 

健康・サプリメント分野

ヒアルロン酸は、関節の動きをスムーズにする働きを持つことから、健康・サプリメント分野でも幅広く活用されています。特に、関節のクッションの役割を果たす関節液の主成分として重要であり、加齢とともに減少するヒアルロン酸を補うために、関節ケアを目的としたサプリメントが多く開発されています。

それらのサプリメントは、ヒアルロン酸を摂取することで関節の柔軟性を維持し、関節痛や違和感の軽減に役立つとされています。美容を目的としたサプリメントにも配合されており、内側からの保湿ケアとして注目されています。特に、乾燥しやすい肌の改善や、ハリや弾力の向上を目的とした美容サプリメントの成分としても広く採用されています。

吸収率を高めるために低分子化されたヒアルロン酸や、関節や皮膚の健康をさらにサポートするためにコラーゲン、グルコサミン、コンドロイチン、ビタミンCなどと組み合わせた複合サプリメントも多く販売されています。飲みやすさや吸収性を向上させるために、ドリンクタイプやゼリータイプの製品もあります。

このように、ヒアルロン酸は関節の健康維持だけでなく、美容や全身のコンディションを整える成分として、サプリメント市場で広く活用されています。日常的に摂取することで、加齢による体の変化に対応しやすくなります。

 

医療分野

その高い保水力と粘弾性を活かし、医療分野でも活用されています。特に整形外科では、変形性膝関節症の治療において、関節の潤滑を助ける目的で関節内注射として使用されています。ヒアルロン酸が関節液の代わりとなり、軟骨の摩耗を防ぎ、関節の動きをスムーズにすることで、痛みの軽減や機能の改善が期待できるのです。

また、眼科領域でも重要な役割を果たしており、眼球の潤いを保つための人工涙液やドライアイ治療用の点眼薬に配合されています。さらに、白内障手術や角膜移植手術の際には、眼内の組織を保護しながら手術を行うためにヒアルロン酸が活用されています。

皮膚科や形成外科では、ヒアルロン酸の保湿・弾力維持効果を活かし、シワやたるみの改善を目的とした皮膚充填材(フィラー)として用いられています。それにより、自然なボリュームを回復し、若々しい外見を維持することが可能となります。

さらに、創傷治療の分野でも、ヒアルロン酸は傷口の保護や治癒促進に役立つ成分として用いられています。火傷や手術後の傷跡の回復を助ける医療用ゲルやクリームなどに配合され、組織の修復をサポートします。

このように、ヒアルロン酸は整形外科、眼科、美容医療、創傷治療など、多岐にわたる医療分野で活用されており、今後もその応用範囲はさらに広がることも考えられます。

 

ヒアルロン酸関連の商品を製造するなら

ヒアルロン酸は、体内に存在するムコ多糖類であり、その高い保水力や粘弾性から美容・健康・医療の各分野で幅広く活用されています。その原料は、大きく分けて「動物由来」と「微生物発酵由来」の2種類があり、製品や用途に応じて選ばれています。

動物由来のヒアルロン酸は、鶏冠などから抽出され、高純度で粘性の高い特徴を持つ一方、微生物発酵由来のヒアルロン酸は、安全性が高く、安定した品質で大量生産が可能な点が強みです。特に、近年では微生物発酵技術の発展により、動物由来に代わる原料として広く利用されるようになりました。

なお、健康食品やサプリメントの製造・販売、または原料調達をお考えの方は、ぜひファーマテック株式会社にご相談ください。当社は、健康食品、サプリメント、化粧品など、幅広い分野での製品開発をサポートし、市場のトレンドやニーズに応じたご提案が可能です。

微生物発酵由来のヒアルロン酸をご提供しております。

ヒアルロン酸を含む健康食品やサプリメントの開発、または原料調達に関するご相談がございましたら、お気軽にファーマテック株式会社までお問い合わせください。

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食品保健指導士 渡邉 正範
渡邉 正範
食品保健指導士

1998年03月に「大根踊り(青山ほとり)」が名物の某私大農学部を卒業後、サプリメント製造受託メーカーにて研究開発10年・営業13年を経験し、2020年09月より当社技術営業に従事。
ヘルスケア業界27年の経緯を生かし、健康と栄養の正しい理解を広げたいと奮闘中。
趣味は、DIYとラーメン店めぐり。

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