5-アミノレブリン酸とは?期待できる健康効果を解説

「5-アミノレブリン酸(5-ALA)」という言葉は、一般的にはあまり聞き慣れないかもしれませんが、健康へのポテンシャルは驚くべきものです。
この記事を見られている方の中には、「5-アミノレブリン酸(5-ALA)」の性質と健康への影響について興味があり、自社の事業にどのように取り入れられるのかをお考えの方もいるかと思います。
5-アミノレブリン酸(5-ALA)は、体内で重要な役割を担うアミノ酸の一つであり、特に血液(ヘム)合成においての鍵であるとも言えます。
最新の研究では、5-アミノレブリン酸(5-ALA)がさまざまな健康効果をもたらす可能性があると考えられています。
本記事では、5-アミノレブリン酸(5-ALA)の基本的な知識から、その健康に対する潜在的な可能性を詳しく説明します。
5-アミノレブリン酸(5-ALA)とは?
36億年前の創成期から地球上に存在し、生命の誕生に深く関わる5-アミノレブリン酸(5-ALA)。この特別なアミノ酸は、ヒト、動物、植物などあらゆる生命体のミトコンドリアに存在し、『生命の基礎物質』と呼ばれています。
5-ALAは、光合成に関わる葉緑素(クロロフィル)や、血液中の酸素を運ぶヘモグロビンの構成成分である「ヘム」の前駆体でもあります。ヘムの合成には、5-ALAから数段階の代謝を経て生み出されるポルフィリン環が不可欠であり、5-ALAはヘムをつくるうえで欠かせない物質です。
また、ミトコンドリア内でのATP(エネルギー)生成や、活性酸素の分解など、生体エネルギーや抗酸化機能にも関与しています。
体内では通常、1日に数グラムの5-ALAが生成されますが、病気や加齢の影響により、特に17歳をピークに減少していくことが知られています。
ヘムとは?
鉄イオン(Fe)を中央に持つ環状構造(ポルフィリン環)からなる化合物で、酸素の運搬やエネルギー代謝に深く関わる生命維持に不可欠な物質です。血液中で酸素を運ぶヘモグロビンや、筋肉に酸素を蓄えるミオグロビンなどに含まれています。
ヘムは体内で5-ALAを出発点として合成されます。5-ALAが不足するとヘムの合成も滞り、酸素の運搬効率やATP(エネルギー)生成に影響を与える可能性があります。また、肝臓の解毒酵素にもヘムは関与しており、体内の代謝バランスを保つ上でも重要です。健康を支える多機能な分子といえるでしょう。
多く含まれる食品
5-ALAが多く含まれる主な食品を紹介します。
黒酢
発酵食品の代表格で、5-ALAを多く含む食品のひとつ。黒酢ドリンクとしての摂取が一般的で、水や炭酸水で薄めたり、ハチミツを加えて飲みやすくする方法も人気です。
ワイン
特に赤ワインに多く含まれます。ポリフェノールも豊富で、適量の摂取が健康維持に役立ちます。ただし、アルコールの摂取量には注意が必要です。
タコ
高タンパク・低脂肪で、ミネラルも豊富な食材。5-ALAの含有量も高く、刺身、煮物、酢の物などで摂取できます。
日本酒
発酵の過程で5-ALAが生成されるため、酒類の中でも比較的多く含まれています。
イカ
タウリンも豊富で、肝機能サポートにも期待できるイカにも5-ALAは含まれています。焼き物、煮物、刺身など多様なレシピで取り入れやすい食材です。
バナナ
朝食や間食に取り入れやすく、手軽にエネルギー補給ができるバナナにも5-ALAは含まれ、食物繊維やカリウムも含み、栄養バランスも良いです。
納豆
植物性タンパク質に加え、発酵由来の5-ALAも含有。腸内環境の改善とあわせて、日常的な健康維持に最適な食品です。
醤油/ソース
いずれも発酵食品であり、5-ALAを含む調味料として日常の食事に取り入れやすいのが魅力です。ただし、使用量が少量にとどまるため、一度の食事で摂取できる5-ALAの量はごくわずかになります。
ピーマン/ほうれん草
緑黄色野菜にも一定量の5-ALAが含まれており、鉄や葉酸などの栄養素とともに摂取できます。
巨峰/トマト/じゃがいも/牛ひき肉/豚ひき肉/鶏ひき肉/大豆
日常的に使用する食品の中にも、少量ながら5-ALAは含まれています。
医療分野での活用について
5-ALAは、医療分野においてもさまざまな応用が進められており、がんの診断・治療補助や糖尿病・感染症の管理などで注目されています。
代表的な活用例として、悪性脳腫瘍(神経膠腫)の手術支援が挙げられます。5-ALAを経口投与すると、がん細胞内でポルフィリン誘導体に変換され、蛍光を発します。その性質を利用して、手術中にがん細胞だけを青色光で可視化し、正常組織と識別しながら腫瘍を正確に切除できる技術が実現しています。
5-アミノレブリン酸(5-ALA)の摂取により期待できること
5-アミノレブリン酸(5-ALA)を摂取することにより、エネルギー(ATP)の増加が見込めます。
期待できることとして以下のことが挙げられます。
・血糖値の改善
・疲労改善
・気分・ストレスケア
・睡眠改善
・サルコペニアの改善・予防
・免疫力向上
・うつの改善
・肝臓機能の維持・向上
・スポーツパフォーマンスの向上
・美容効果
血糖値の改善
エネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)の増加に伴う一つ目の注目点は、血糖値の改善です。その理由は、ATP供給により体内の糖分が正しく利用され、血糖値の安定化が促進されるからです。
これは糖尿病予防やその管理に役に立ち、血糖値スパイクや低血糖症状のリスクを軽減できる可能性があります。正確なエネルギー供給は、健康な代謝プロセスと体重管理にも関与し、生活の質を向上させるための重要点です。
5-ALAはミトコンドリア機能の活性化を通じてインスリン感受性を高めることが示唆されており、インスリン抵抗性の改善にも貢献する可能性があります。継続的な5-ALAの摂取によって、日々の血糖コントロールをサポートし、将来的な生活習慣病のリスク低減にもつながると期待されています。
疲労改善
エネルギー不足は、日常的な活動や運動時に疲労感を生じる一因となります。そのため、十分なATPの供給が確保されることで、筋肉の活動に必要なエネルギーが増加し、体力や持久力向上が期待できるのです。
さらに、ATPの増加は中枢神経系へのエネルギー供給にも影響し、気力や覚醒度の向上にもつながります。エネルギーの増加は日常生活の活動力や運動パフォーマンスの向上をもたらし、疲労感を軽減する助けとなります。
加えて、5-ALAの摂取は、細胞レベルでの活力を引き出し、心身のリズムを整える働きにもつながると考えられています。加齢やストレスによって低下しやすいミトコンドリア活性のサポートは、年齢を問わず疲れにくい体づくりに寄与します。
気分・ストレスケア
エネルギー不足は、疲労や倦怠感を感じるだけでなく、気分の低下やストレス感の増加にもつながります。よって、ATPの増加はストレスへの抵抗力が上がり、心の安定感を保つことにも繋がります。また、脳内神経伝達物質の機能にも影響があり、リラクゼーションの促進にもなります。
ミトコンドリア機能が活性化されると、脳内のエネルギー環境が整い、気分に関わる神経伝達物質のバランスが保たれやすくなると考えられています。そうした影響は、睡眠の質や集中力の向上にもつながり、結果としてストレスの緩和や前向きな気持ちの維持につながる可能性があります。
睡眠改善
睡眠の質はエネルギー供給に密接に関連しています。ATPの十分な供給があれば、体は日常の活動で使ったエネルギーを効果的に取り戻すことができます。このことから、睡眠中の体の機能が適切に働くため、深い睡眠やレム睡眠の周期の改善に期待ができます。
脳内の神経伝達物質の働きにも間接的に影響することから、自然な入眠や中途覚醒の減少、翌朝の目覚めのスッキリ感といった睡眠の質の向上が期待できます。現代人の多くが抱える「眠りが浅い」「疲れが取れない」といった悩みに対しても効果的です。
サルコペニアの改善・予防
サルコペニアは筋肉の量や筋力の低下という年齢に伴う現象で、特に高齢者に影響を及ぼします。ATPの量が増えることで、サルコペニアの進展が緩やかになり、筋力や体の機能の向上が期待されています。
ATPの増加は運動のパフォーマンス向上に影響し、筋力トレーニングや運動療法の効果を高めます。サルコペニアの改善と予防には、エネルギー供給の増加が必要であり、健康な筋肉を維持するための要素といえます。
年齢を重ねた体でも筋肉量を維持しやすくなり、転倒や寝たきりリスクの低下にもつながります。栄養・運動・エネルギー補給の三本柱がそろうことで、サルコペニアへの対策効果がより高まるでしょう。
免疫力向上
免疫系は体内の病原体と闘うためにエネルギーが必要であり、その供給源の一つがATPです。特に免疫細胞であるT細胞やB細胞は、高いエネルギー供給が必要であり、適切なATPの供給が確保されると、それらの細胞の機能が向上します。
免疫系の活性化により、病原体に対して迅速かつ強力な反応が可能となり、感染症の発症リスクの軽減に期待ができるのです。
近年では、5-ALAの継続摂取が風邪やウイルス感染の予防補助としても注目されており、高齢者や慢性疾患を抱える方の健康維持にも有効である可能性が示唆されています。
うつの改善
ATPは神経細胞の機能と連動し、その増加は気分の安定とうつ症状の緩和に関わっています。うつ病は、エネルギー不足や身体的な疲労感が特徴の一つです。そのため、十分なATPの供給が確保されると、脳が正常に機能するため、気分が向上します。ATPは神経細胞の伝達にも関与するため、気分の安定化に影響を与えるのです。
このように、うつ病の症状が軽減され、心の健康が改善される期待をもてるのです。「なんとなく元気が出ない」「やる気が起きない」といった曖昧な不調がある場合、心と体のバランスを取り戻すサポートになる可能性があります。数値化しにくい気持ちの回復にも、働きかけてくれる栄養素といえるでしょう。
肝臓機能の維持・向上
肝臓は、エネルギー源であるATPを用いて、肝細胞が毒素の代謝や解毒の働きを行っています。十分なATPが供給されることで、肝臓の代謝活動は活性化され、有害物質の除去がより効率的に進みます。
さらに、ATPの増加は肝臓の再生力を高め、損傷した肝細胞の修復をサポートします。これにより、肝機能の維持や向上が期待され、脂肪肝をはじめとする肝臓に関連した疾患のリスク軽減にもつながります。
体内のエネルギー環境が整うことで、知らず知らずのうちに進行する体調不良の予防にも役立ちます。たとえば、「疲れがなかなか取れない」「朝起きてもだるさが残る」といった不定愁訴には、肝機能の低下が関係しているケースもあります。内側から代謝や循環の巡りを整えることで、全身の調和と活力を支えることができるのです。
スポーツパフォーマンスの向上
ATPは筋肉に必要なエネルギー源であり、その供給が増加することは、スポーツ競技や運動においてのパフォーマンス向上に期待を持てることに繋がります。
エネルギー不足は疲労感や筋肉の能力不足となり、ATPの増加は筋肉のパワーと運動持久力を向上させ、運動能力を向上させることになります。
さらに、ATPの増加は筋肉の修復と再生にも関与し、筋肉疲労やケガのリスクを軽減します。スポーツパフォーマンスの向上には十分なエネルギー供給が必要であり、ATPの増加はスポーツ界で成果を出すための鍵とも言えます。
美容効果
5-ALAはミトコンドリアの働きを活性化し、ATP生成をサポートすることで、肌や体の内側から美しさを引き出す成分としても注目されています。
エネルギー代謝が整うことで、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)を正常化し、くすみや乾燥の改善に寄与します。また、活性酸素の除去にも関わるため、酸化ストレスによる肌老化の抑制にも効果が期待できます。
さらに、5-ALAの働きによって血流が促進されることで、肌の透明感やハリ感の向上も期待されており、内側から輝く健やかな肌づくりに役立ちます。睡眠の質向上やホルモンバランスの調整といった間接的な作用も、美容の土台を整える要素となります。
5-アミノレブリン酸(5-ALA)を効率良く摂取するには?
5-ALAは、先ほど解説した通り、黒酢や赤ワイン、バナナなどの食品にも含まれていますが、日常的な食事から十分な量を摂取するのは簡単ではありません。特に、加齢やストレス、生活習慣の乱れにより体内での5-ALA生成量は減少していくため、食事だけに頼るのではなく、サプリメントや健康食品を活用することが効果的です。
近年では、5-ALAを一定量含むサプリメントが多く市販されており、毎日の習慣として手軽に摂取できるのが大きなメリットです。中には鉄や亜鉛などのミネラル成分と一緒に配合されている製品もあり、ヘム合成のサポートとして相乗効果が期待できます。
疲労感の軽減、血糖値や睡眠のサポートなど幅広い健康効果が期待される5-ALAを、日常的にしっかり補いたい方には、サプリメントを取り入れた継続的な摂取が現実的でおすすめの方法です。
なお、需要の高まりに伴い、5-ALAは今後さらに可能性が広がる成分として注目されており、健康食品を扱う事業者の間でも関心が高まっています。そうした背景から、5-ALAを活用した製品の開発・販売は今後の市場ニーズに合致する有望な展開といえるでしょう。
5-アミノレブリン酸に興味がある方へ
「5-アミノレブリン酸」が『生命の基礎物質』とも呼ばれる理由をご理解いただけましたでしょうか。私たちの生活に欠かせない注目の成分で、多くの可能性を秘めています。
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1998年03月に「大根踊り(青山ほとり)」が名物の某私大農学部を卒業後、サプリメント製造受託メーカーにて研究開発10年・営業13年を経験し、2020年09月より当社技術営業に従事。
ヘルスケア業界27年の経緯を生かし、健康と栄養の正しい理解を広げたいと奮闘中。
趣味は、DIYとラーメン店めぐり。